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<雑記帳>周遊自転車で消費拡大 北海道千歳(毎日新聞)

 春の観光シーズンを控え、北海道千歳市の千歳観光連盟が周遊自転車の貸し出しを始めた。今年で8年目の好評企画。電動自転車や子供用マウンテンバイクなど、計20台を用意している。

 新千歳空港を抱える同市は、札幌市へ向かう途中の「通過型のイメージが強い」(同連盟)のが悩み。立ち寄って観光やショッピングを楽しんでもらうのが狙いだ。料金は300円(電動自転車600円)。

 利用者には市内店舗で割引などのサービスが受けられる特典付きのマップを渡し、消費の拡大にも期待する。サイクリングでおなかが減れば、地元飲食店への経済効果はさらにアップ?【円谷美晶】

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情報公開 首相が最終判断 検討チームが素案提示(産経新聞)

 枝野幸男行政刷新担当相は20日午前、「行政透明化検討チーム」(座長・枝野行政刷新相)の初会合を開き、行政文書の全面不開示が決定された場合に首相へ報告することを義務づけ、首相の判断で不開示決定を取り消せる規定を盛り込んだ改革素案を提示した。

 素案では、行政機関が不開示決定をする際に、具体的理由を書面で示すよう明記した。行政公開訴訟をめぐっては、不開示決定を下した行政機関に対し、その文書の提出を命令できる権限を裁判所側に付与した。一方、情報公開法の所管官庁を現行の総務省から内閣府に移すよう求めた。

 枝野氏は初会合で、「透明な政府を実現して国民の政治参加、政策立案形成過程の参画を実現できる制度をつくりたい」と述べた。

 検討チームでは、行政刷新会議が新設した「国民の声担当室」で国民の意見を募りながら、6月をめどに情報公開法の見直し案をまとめる予定だ。

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普天間問題で協力要請 日米非公式首脳会談で首相(産経新聞)

 【ワシントン=酒井充】訪米中の鳩山由紀夫首相は12日夜(日本時間13日午前)、オバマ米大統領との非公式会談に臨み、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題について日本側の検討状況を説明、5月末までの決着に理解を求める考えだ。

 首相は核安全保障サミットの夕食会でオバマ大統領の隣席に着き、普天間問題について意見交換。公式会談は普天間問題に対する日本側の検討が進展していないこともあり、見送られた。

 首相は、米軍キャンプ・シュワブ(同県名護市)陸上部に600メートル級のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)を造る案や、徳之島(鹿児島県)に移設する案を軸に米側との調整を進めたい考えだ。ただ、移転先となる地元自治体では受け入れ反対の動きが強まっており、5月末までの決着は難しい状況にある。

 一方、米側はシュワブ沿岸部にV字形滑走路を造る日米合意案(現行案)が最善との立場を崩していない。ルース駐日米大使は9日に岡田克也外相と会談した際、現行案以外の移転を進める実務者協議の開始について「時期尚早」と伝えていた。

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中朝国境 苛烈な情報戦 住民、携帯で「ゲリラ通話」(産経新聞)

 ■北当局 高性能傍受機を導入

 中朝国境地帯。北朝鮮で起きている現実を携帯電話で外部に伝える住民と、それを取り締まる治安当局との諜報(ちょうほう)戦が激化している。治安当局はドイツ製の高性能電波傍受・探知装置を導入。これに対して、住民側は1回の通話を短時間で切り上げ、こまめに場所を移動する“ゲリラ通話”で対抗し、内部情報を発信し続ける。外部社会との情報のやり取りが国家体制を崩壊させるきっかけになった東欧社会の例があるだけに、北朝鮮側は神経をとがらせている。(加藤達也)

                   ◇

 在日脱北者によると、北朝鮮国内の情報が急激に流出し始めたのは2年ほど前から。「もともと国境の往来規制が比較的緩い中国・朝鮮族を中心に、中国の通信会社が運営する携帯電話が出回った。それが北朝鮮国内の親類や知人らに浸透。現在は万単位で普及し、国境地方の社会現象はほぼリアルタイムで漏れる」という。中国の基地局を経由するため、韓国などに国際電話をかけることも可能だ。

 韓国の脱北者団体が中朝国境付近からの携帯を使った情報収集態勢を整えると情報量は増大。経済の混乱ぶりなど「北が出したくない情報」についてもすぐに国外に漏れて報道される状況になった。

 韓国の社団法人「北朝鮮研究所」の柳東烈(ユ・ドンヨル)研究員は「北朝鮮当局は、中朝国境にドイツ製の通信傍受・探知装置を導入。北朝鮮側から発信される携帯の電波を傍受したり、発信地点を特定したりして追跡態勢を強化している」と話す。韓国メディアによると、四駆車に探知機を積んだ「探知車」まで登場。罰則も強化され、捕らえられると、政治犯収容所での長期の教化刑や死刑になるケースもあるという。

 在日脱北者によると、取り締まり強化に住民側は1回の通話時間を2〜3分に短縮し、人目を避けるように山中をこまめに移動して通話し始めた。北当局はさらに、住民の中にスパイ網を構築して、密告を奨励している状況だという。

 だが、在日脱北者は「中国の電波と携帯を使っている以上、中国が電波を止めない限り完全遮断は不可能。携帯を隠し持つ住民も増えるだろうし、情報のパイプラインは太くなるだろう」と指摘する。

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<損賠提訴>自転車欠陥で転倒 障害残った男性、輸入元を(毎日新聞)

 イタリアの自転車メーカー「ビアンキ」ブランドの自転車の前輪が外れて転倒し、後遺障害が残ったのは製品の欠陥が原因として、茨城県つくば市の会社社長、中島寛さん(60)らが5日、製造物責任法に基づき、輸入元でビアンキの親会社の日本法人「サイクルヨーロッパジャパン」(東京都千代田区)に約1億6000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴えによると、中島さんは08年8月、自転車で出勤中に前輪がサスペンション部分から外れて転倒、頸椎(けいつい)を損傷し、首から下がまひする障害が残った。自転車は大阪の業者が設計、サスペンションは台湾企業製だが、原告側は輸入元に賠償責任があるとしている。

 原告側は自転車の安全試験を行う機関に調査を依頼。サスペンションが外れた原因は▽雨水などが浸入して腐食を誘発する構造だった▽脱落を防止する機構がない−−と結論付けられたという。

 事故を巡っては、消費者庁が3月、サイクル社に「重傷事故を把握しながら国に報告しなかった」として厳重注意している。

 中島さんは会見で「メンテナンスは十分してきた。同じ自転車に乗っている人が事故に遭わないようにしてほしい」と話した。

 サイクル社の木村恵代表取締役は「詳細は裁判の中で明らかになると考えています」と話している。【和田武士】

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10年度診療報酬改定、4月実施危ぶんだ時期も(医療介護CBニュース)

【第103回】遠藤久夫さん(中央社会保険医療協議会会長、学習院大経済学部教授)

 再診料や外来管理加算、DPCの調整係数の廃止などが課題となった2010年度診療報酬改定。医療費の配分を決める中央社会保険医療協議会(中医協)の審議は、政権交代と委員交代の影響で、昨年9月から10月にかけて1か月間、空転した。審議の取りまとめに当たった遠藤久夫会長は、今年4月の改定実施を危ぶんだ時期もあったという。(兼松昭夫)

■改定実施のずれ込みに病院団体が強い懸念

―10年度診療報酬改定に向けた中医協の審議を振り返っていかがでしょうか。
 DPCの調整係数の廃止とそれに代わる新しい機能評価係数の創設、ドラッグラグの解消を目指した薬価制度改革といった大きな制度改革が予定されていましたし、外来管理加算のいわゆる「5分要件」の見直しの問題も議論が白熱すると予想され、審議時間は十分にはないと、当初から思っていました。そのため、審議のスタートを前倒ししたいと考えていましたが、結果的にそれほど早まりませんでした。こうした中で政権交代があり、本来なら集中審議が始まるはずの昨年秋に1か月間、空転しました。これらの要因が重なって、審議時間が十分確保できなかったというのが率直な気持ちです。
 さらに、委員の交代もありました。これによって、再開後は診療報酬に限らず、医療の本質的な議論が交わされるようになりました。特に診療側は当初、各委員の発言を必ずしも調整しておらず、これが活発な「本音トーク」につながったと思います。そもそも医療の課題は、提供体制、保険制度が重層的に組み合わさって生じています。診療報酬というほんの一部分を議論しても、全体を議論しないと方向性が定まらないのは当然の話なので、診療報酬に直接関係しないご意見も途中で制止しないようにしたつもりです。しかし、これらの意見を取りまとめるには時間がかかります。個人的にはエキサイティングであったと同時に、非常にストレスも感じました。
 11月以降は週2日、場合によっては一日5時間を費やすなど、審議時間の確保に努めましたが、それでも十分ではなかったと思います。2月12日に取りまとめた答申書の付帯意見には15項目が盛り込まれました。これらはいわば12年度以降の申し送り事項です。逆に言えば、これだけの課題を先送りせざるを得なかったわけで、このことも審議時間が不十分だったことの表れの一つだと思います。

―昨年10月には、本来なら集中審議を始める時期にちょうど1か月間、議論が中断しましたが、この時はどのような心境でしたか。
 話し合わなければならない大きな問題がたくさんあるので、わたしは当初から、拙速な議論は慎むべきだと認識していました。一方で、中医協がいつ再開されるのかが分からなかったので、場合によっては診療報酬改定の実施時期を「4月より後にずらさざるを得ないかな」と考えた時期もありました。しかし、病院団体が改定時期のずれ込みに強い懸念を示したため、「4月実施を目指すほかない」と腹をくくりました。

―昨年12月にまとまった診療報酬改定の基本方針では、「救急、産科、小児、外科等の医療の再建」と「病院勤務医の負担軽減」が重点課題に位置付けられました。
 これらは社会保障審議会(社保審)の医療部会、医療保険部会で決定されたもので、基本的には08年度に実施された前回の報酬改定と大きく変わらない印象です。今回のポイントを挙げるなら、「外科対策」が加わった点です。外科は、厳しい勤務状況や訴訟の問題などで、救急や産科と似たような環境にあるわけですが、救急、産科、小児科ほど目立った「不足問題」が報じられることはなかった。しかし、外科の勤務医は減少しているし、若い医師の外科離れも急速に進んでいるといわれます。対策が取られるのが遅過ぎたとも言えます。中医協は今回、「外科系学会社会保険委員会連合」(外保連)の「手術報酬に関する試案」の中で最も難易度が高いと評価されている手術群を5割、その次の難易度の手術群を3割引き上げることに決めました。このような大幅な手術料のアップは、これまでに例がありません。手術料の引き上げで外科医不足問題が解消するなどとは思っていませんが、少しでも役に立つことを期待しています。
 
―2年後の12年度報酬改定では、手術料の算定にこの外保連試案を全面採用することが決まりました。
 薬価や材料価格の算定ルールは細か過ぎるほどに厳格ですが、一方で、医療技術に関しては明確な算定ルールは存在しません。医療技術の経済評価は技術的にも難しい面が多く、そう簡単に統一した算定ルールを作れないのが実態です。しかしわたしは、外保連試案はこれまで試行錯誤を重ねた結果、一定の説得力を持った価格表に仕上がっていると認識していました。手術料改定の際に、事務局(厚生労働省保険局医療課)が各手術間の料金の相対比として部分的に用いてきた実績もあります。わたしは、手術の相対価格の決定に試案を全面活用すれば、手術に限定されるとはいえ、ルールに基づく診療報酬の改定に一歩近づけるのではないかと思っていました。

 とはいえ、中医協で外保連試案を突然持ち出すのも唐突なので、タイミングを計っていたのです。そんな折、診療側に、米国のメディケアの「ドクターズフィー」の導入を主張された委員がいました。ドクターズフィーは、▽報酬が医師に直接支払われる▽医療行為ごとの報酬の相対的な重み付けを医師が行う-という点が特徴です。この委員は、このうち報酬が医師に直接支払われる点を強調されたかったのだと思いますが、わたしはむしろ医療行為間の相対的な重み付けを医師が行う点に注目し、わが国の手術料の相対的な価格付けに外保連試案を使えるのではないかと提案しました。手術料全体の費用は中医協が決定し、それぞれの手術料への配分は学会側が決めるというスキームです。ただ、精度が高まっているとはいえ、各学会で評価の仕方が異なるなど、試案には解消すべき点もあるので、12年度の改定までに整理ができれば全面採用することになりました。これを機会に、診療報酬改定に際して学会側にも影響力を発揮してほしいと考えています。
―10年度診療報酬改定では、手術料の一部が明確なルールに従って決められた。
 そういうことです。今回の手術料引き上げは、外保連試案における評価、つまり学会側が行った手術の難易度評価と点数の引き上げ率とを対応させました。これまでの点数改定は、必ずしも明確な方針やルールに従って行われてきたわけではありませんが、今回の手術料の引き上げはルールが明確でした。透明性の向上という点では、一石を投じたのではないでしょうか。

■セクター別の医療費配分も検討課題

―10年度診療報酬改定では、全体の改定率を10年ぶりに引き上げることになりました。
 民主党の政権公約もあり、医療関係者はもう少し高い改定率を期待されたのではないかと思います。わたし自身は、「ある程度は高くなるのかな」との思いの一方で、経済環境が厳しいため、「それほど高い改定率は期待できないかな」という気持ちもありました。医療経済学者の一人として、わたしも日本の現在の医療費は少な過ぎると訴えてきました。しかし、中医協では支払側が、「経済状況が非常に厳しい中、診療報酬を引き上げる環境にはない」と主張していますし、会長としてこの改定率が適切かどうかはコメントできません。

―今回は、初めて入院・外来ごとに改定率が示されました。
 このことは、中医協の議論の在り方に関する非常に重要な問題提起だと理解しています。
 入院・外来ごとに改定率が示されたことに対し、診療側は「中医協の権限が縮小された」と反発しました。これに対してわたしは、五十パーセントは同意しますが、五十パーセントは同意できません。
 中医協は医療費の配分を議論する場ですから、入院と外来のような部門(セクター)別の医療費の配分についても当然、議論していいはずです。中医協の権能としても可能です。ですから、「その部分を外部に決められてしまった」という主張はその通りだと思います。けれども、こうしたセクター別の配分を中医協でこれまで議論してきたかというと、基本的にしてこなかった。例えば前回の08年度診療報酬改定では、外来の改定財源のうち400億円の入院への移譲をめぐって議論しました。このように、非常に重要な問題が絡むケースには例外がありますが、セクター別の配分は明確には議論してこなかった。ですから、「議論してこなかったことを外部に決められても仕方がない」という主張も成り立ちます。
 改定率の決定は内閣が予算編成のプロセスで行うこととされ、中医協は直接関与できないことになっています。少なくとも今回については、改定率を決める一連のプロセスの中で、ある種の条件として決まったことなので、広い意味では内閣が行う改定率の決定に包含されると、わたしは理解しました。

―今後は中医協でもセクター別の医療費配分を議論するのでしょうか。
 今後も政治主導でこのような方式が続くのかどうかは分かりませんが、「中医協でこそ、セクター別の配分の議論を行うべきだ」という意見が多いようなら、前向きに検討したいと思います。セクターとは入院、外来だけでなく、救急、産科など何でもよいのですが、要するに個別点数の議論に入る前に大きな区分の大まかな配分を議論するということです。
 こうした議論をするかどうかは委員のご意見に委ねますが、もし行われれば、医療費配分の議論に弾みを付けると思います。中医協は医療費の配分を決める審議会ですが、実際には具体的な個別点数を議論することは、今回の再診料など重要案件を除けばほとんどありません。中医協が個別点数について審議するのは、引き上げか引き下げかといった方向性と、算定要件や施設要件などに関することがほとんどです。具体的な点数は、事務局が計算したものが答申書の中で初めて示されます。このような慣行になっているのは、改定項目が膨大で、内容が専門的であることに加え、改定率が決まる年末から翌年2月半ばの答申までの1か月半の間に作業しなくてはならないからです。しかも、改定後の個別点数は、積算すると改定財源額に一致するように設定されていなければなりませんし、学会や関係団体からの意見聴取も必要です。従って、個別点数をすべて中医協で議論するのは難しいのが現状です。診療側から提案があったように、改定時期を4月から後ろにずらせば、点数が付いた後でも調整は可能です。その意味では、こうしたことも検討に値すると思います。ただ、スキームの大きな変更を伴うので、その影響も考慮しなければなりません。

 その点、セクター別の医療費配分をまず決め、その制約下でこれまでのように個別点数を決めていくやり方を取れば、改定時期を変更せずに、中医協の医療費配分機能をより明確にできるのではないかと思います。セクター別の議論でも、具体的な金額の議論は年末に改定率が決まってからでないとできませんが、「増額分の何パーセントを救急に」という比率の議論なら、改定率が決まっていなくても、社保審が基本方針を出せばすぐに始められます。基本方針の決定が早まれば、十分な審議時間も確保できるはずです。もちろん、現実にはいろいろな問題が出てくると思いますが、検討に値するとは思います。

―前回に続いて、今回の診療報酬改定でも診療所の再診料が焦点になりました。
 支払側は、分かりやすさの観点から病院と診療所の再診料を統一すべきだと主張しました。これに対して診療側は、診療所を71点に維持することを前提に統一に合意しました。初診料は病院と診療所で270点に既に統一されていますし、今回、再診料を統一することには合理性があるとわたしは考えました。
 問題は統一後の点数です。支払側は66点での統一を提案しましたが、再診料は診療所にとって収入のベースになる重要な点数です。あまり大幅に下げると、経営に悪影響が及んだり、モチベーションの低下につながったりする恐れがあります。こうした点に配慮して、公益側としては予算制約ぎりぎりのところで、69点での統一を提案しました。

―診療側からは、「他の領域への医療費配分を決めてから再診料を話し合うのはおかしい」という意見も出ました。
 新たに評価することになった項目の点数をある程度抑えれば、再診料にも財源を回せるはずだという趣旨だと理解しています。お気持ちは分かりますが、新たに評価する分野は社保審が示した重点課題と重なる部分が大きいので、優先的に議論するのは合理性があると思います。また、最初に再診料を議論した際、支払側から「財源がどれだけあるのかが分からないと、具体的な点数を議論できない」といった趣旨の指摘がありました。もっともなご指摘なので、わたしは他の項目への医療費配分を固めてから、改めて再診料を議論することを提案し、その時には反対意見が出ませんでした。そのため、それ以降はこうした流れで議論を進めたわけで、進行上の問題はなかったと考えています。

■12年度同時改定の審議、スタート前倒しへ

―付帯意見に盛り込まれた項目の検討は、新年度早々からスタートする必要があるとお考えでしょうか。
 もちろんです。付帯意見の中に「できるだけ早急に取り組みを開始する」という一文も入れてあります。たくさんあるので、どこまでできるかは分かりませんが、いずれにしろ議論には早く着手したいと思います。
 10年度診療報酬改定に向けた今回の議論では検討課題が多かったため、1か月間の空転がなかったとしても、審議時間は必ずしも十分とは言えませんでした。重要で本質的な課題は、報酬改定のない年に重点的に議論しておくべきでしょう。特に再診料、外来管理加算などの基本診療料や、地域特性を踏まえた診療報酬の在り方などの基本的な部分は、できるだけ早い時期に議論を始めるべきだと考えています。

―民主党が昨年の衆院選の際に公表した「政策集インデックス2009」では、中医協について「構成・運営等の改革」を行うとしています。
 委員の交代もありましたし、医科、歯科や入院、外来で異なる改定率が設定されるなど、「改革」は既に実施されていると思いますが、今後、どのように展開するのかは政権がお考えになることで、わたしには分かりません。
 現役の中医協委員としては、できる範囲で改善していくことしかないと思います。例えば今回は、エビデンスを示しながら透明性のある議論が行われるよう心掛けました。先程もお話したように、手術料について、学会による難易度の評価と点数の引き上げ率とを対応させ、引き上げの方針を明確にしました。引き上げのルールを明らかにするということは、これまであまりなかったのではないでしょうか。現在の課題を解消するという前提条件付きですが、外保連試案を手術料の相対評価に全面採用することになったのも、透明化につながる要素だと思います。
 限られた領域ではありますが、今回の改定結果がどのように影響したのか、金額をセクター単位で開示することになっています。これも初めての試みです。

 今回はまた、中医協による学会側からのヒアリングも行いました。医師会や病院団体、看護協会などの医療団体は従来から中医協の議論に参加してきましたが、学会に関しては従来、各学会が提出した提案書を基に事務局が改定案を作り、中医協に示す形でした。これはこれでとても大切なプロセスですが、一方で、学会からどのような要望が上がっているのかを、実際に点数を議論するわたしたちが十分に把握していませんでした。少なくとも、わたしたちもそれらを理解しておく必要があるし、診療科固有の課題はそれぞれの学会からお聞きするのが一番です。学会関係者からのヒアリングには、こうした点を一層透明化する狙いがありました。今回は、重点課題に挙げられた救急、小児、産科、外科系の学会からヒアリングしました。ほかにも聞きたい分野が幾つかありましたが、時間がなくてできませんでした。

 議論を進める上でのエビデンスの重視も進んでいます。外来管理加算の「5分要件」の撤廃は、中医協の診療報酬改定結果検証部会による調査結果が大きく影響したと考えられます。地域特性に考慮して診療報酬上の要件を緩和すべきかどうかの議論では、こうした仕組みを要望する意見が多かったのに結論が出なかった。どのような地域が要件緩和に値するのかを示すエビデンスを、説得力のある形で示せなかったためです。このように、中医協の議論の多くはエビデンスがないと進まなくなっています。エビデンスを重視するには、統計などさまざまな材料を準備しなくてはなりません。今回は、事務局の若手が大車輪で動いてくれました。短期間に準備していただいた資料が、エビデンスベースでの議論に本当に役立ちました。感謝しています。
 透明性の向上とエビデンス重視については、今後もさらに推進していくべきでしょう。


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